前編ではコットンのこと、オーガニックのことについてのお話しでした。
では、オーガニックコットンとはどういうものでしょう?
オーガニックコットンとは?
オーガニックコットンは、認証機関によって認められたものもあれば、そうでないものも存在しています。
オーガニックコットンであるという認証を受けるには、厳しい基準を守り、栽培しなければいけません。
オーガニック農産物の生産方法に従い、概ね下記のような基準が設けられています。
- 第三者機関に認められた農地で作られている。
- 作付前や栽培機関中に化学肥料や指定外農薬を使用しない。
- 非遺伝子組み換えの種子を利用する。
-
トレーサビリティ(生産から販売までの記録)が確保されている。
提供:大正紡績株式会社
コットンは優しくなんとなく安心できるようなイメージを浮かべる方もいるのではないでしょうか?
実は通常のコットンの栽培では、多量の化学肥料と農薬が使用されています。
害虫駆除のための殺虫剤、雑草の除草剤、防カビ剤、殺菌消毒のため、栽培の過程の中で様々な農薬を散布します。
また、葉っぱの屑がコットンに付着するのを防ぎ、一度に効率よく収穫するため、枯葉剤を撒いてわざと葉を枯 らすことも当たり前に行われているのです。
提供:大正紡績株式会社
生産者はそれらの薬剤を吸い込んだり、触れたりすることによって健康被害が生じ、薬剤によって土壌や水源 が汚染され、微生物が消滅したり、動物が生息できなくなったりと環境への大きな負荷もかかってしまいます。
オーガニックコットンの栽培では、有機肥料などを使って土作りを行い、基準で定められた人体や環境への負 荷が少ない農薬以外は使用せず、害虫対策にはてんとう虫などの益虫を活用。枯葉剤も使用せず、霜が降って 葉が自然と枯れるのを待ち、手で摘み取って地道に収穫します。
オーガニックコットンを大規模に栽培するためには、多大な労力や資金もかかるため、オーガニックコットンの生産量は世界のコットン生産量の1%にも満たしておらず、とても希少なのです。
実際は、通常の栽培方法のコットンでも、製品になったときの残留農薬などはほとんど検出されないのだとか。
オーガニックコットンの製品でないからと言って、消費者にとって安全ではないというわけではありません。
ですが、オーガニックコットンの製品は生産者、環境、人権に配慮され、トレーサビリティがしっかりと記録されている、本当の意味で優しく、安心できるコットンであると言えます。
また、オーガニックコットンの製品であっても、糸や生地を加工する段階で、漂白する、染色するなどの化学処理をしている製品もあります。
白色のオーガニックコットンでも、収穫される前に雨風に晒されたり陽が当たったりと真っ白な状態ではなく、ほんのりとクリーム色をしています。また収穫したコットンには葉っぱなどがどうしても混ざってしまい、綿カスと呼ばれる茶色のツブツブが残ります。真っ白にするため、綺麗なカラーに染色するため、茶色のツブツブを消すために、漂白処理を施すのです。
たくさんの手間暇をかけて育てられた、希少なオーガニックコットンを少しでも自然な状態で使いたい。自然が作り上げたそのままの色味の美しさ、風合いも伝えられたら。そんな想いからSugano ORGANCでは、農場と契約栽培されている良質なオーガニックコットンで、漂白も染色も施されていない生地を使い続けています。
なぜオーガニックコットンを選ぶのか。なぜその商品を選ぶのか。どんな背景があるのかをまず知ること。そして、私たちに、栽培されている人に、環境にとってどんな影響を与えるのかを考え、選択していくことが大切だと改めて感じます。
写真・文:森 裕香子